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Microsoft が脅威アクターの新しい名前付けと分類を発表

マイクロソフトは、天気(気象)をテーマにした新しい脅威アクターの名前付け分類に移行することを発表しました。
Microsoft shifts to a new threat actor naming taxonomy - Microsoft Security Blog

 

今までは、元素、樹木、火山、および DEV の名称で名前付けされていました。
脅威の複雑さ、規模、量は増大しており、脅威を迅速かつ明確に理解できるよう再考したそうです。
名前を読むだけで脅威アクターのタイプを即座に知ることが出来るとしています。

上記リンク先には、アイコンと共に名前付けの例が掲載されています。
 Blizzard ー Russia
 Sleet  ー North Korea
 Typhoon ー China
 Sandstorm ー Iran
 Storm  ー Groups in development
 Tempest ー Financially motivated
 Tsunami ー Private sector offensive actor
 Flood  ー Influence operations

 

マイクロソフトの脅威リサーチでは、160 の民族国家アクター、50 のランサムウェアグループ、数百のランサムウェアアクターを含む 300 以上を追跡するまでになっています。
新しい分類では、気象イベント名は民族国家のアクターの帰属や動機のいずれかを表します。
例えば、
 ・ Typhoon ー 中国への期限または帰属を示す
 ・ Tempest ー 金銭的な動機のあるアクターを示す

 

また、同じ気象ファミリ内の脅威アクターには、異なる TTP(戦術/戦略/手順)、インフラストラクチャ、目的、その他の識別パターンを区別するための形容詞が付きます。
例えば、ロシアとイランの命名例は、

ロシア(Blizard
 ・ Midnight Blizzard
 ・ Forest Blizzard
 ・ Aqua Blizzard

イラン(Sandstorm)
 ・Mint Sandstorm
 ・ Gray Sandstorm
 ・ Hazel Sandstorm

これらは、ファミリ名ごとのアイコンで、視覚的にも補助されます。

 

そして、未知または新たな脅威アクティビティのクラスターには、Storm(以前の DEV)と 4桁の番号で一時的な命名がされます。
例えば、
Groups in development
 ・ Storm-0257
 ・ Storm-0539

 

マイクロソフトでは、既存の脅威アクターを新しい分類に再割り当てし、今後数週間で一般向けコンテンツや製品内を更新しはじめ、2023年9月までに優先度の高い製品内のアップデートを完了する、としています。

脅威アクター名称については、以下のリファレンスページが公開されています。
https://aka.ms/threatactors