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Azure Firewall 構造化ログとシングルクリックでのグレード変更

Azure Firewall において、一般提供が2つ発表されています。
1つは構造化ログ、2つ目はシングルクリックによるアップグレード/ダウングレードです。
General Availability of Structured Logs and Single Click Upgrade/Downgrade in Azure Firewall - Microsoft Community Hub

 

構造化ログ

Azure Firewall で新しいトラブルシューティング機能を継続的に提供するため、Firewall イベントのログ記録が強化されました。
Announcing Azure Firewall Structured Logs General Availability - Microsoft Community Hub

上記の詳細によると、構造化ログは特定の形式で編成されたログデータの一種であり、自由形式のテキストで構成される非構造化ログとは異なり、定義済みのスキーマを使用して、検索、フィルター処理、分析を容易にするようログデータを構造化しています。

構造化ログは、Firewall イベントのより詳細なビューを提供しており、送信元と宛先の IP アドレス、プロトコル、ポート番号、Firewall の実行アクション情報などが含まれ、イベントの時刻、Azure Firewall インスタンス名などの追加メタデータも含まれます。
この新機能により、AzureDiagnostics テーブルの代わりに「リソース固有のテーブル」を選択できるようになります。
構造化ログで以下のカテゴリが新しく追加されました。
 ・ ネットワーク ルール ログ
 ・ NAT 規則 ログ
 ・ アプリケーション ルール ログ
 ・ 脅威インテリジェンス ログ
 ・ IDPS ログ
 ・ DNS プロキシ ログ
 ・ トップフロー ログ(ファットフロー)
 ・ フロートレース
 ・ 内部 FQDN 解決失敗 ログ
 ・ アプリケーション ルール集計 ログ
 ・ ネットワーク ルール集計 ログ
 ・ NAT ルール集約 ログ

構造化ログを使用すると、Azure Monitor や Azure Sentinel などのツールでの分析を容易にできます。
Azure Firewall で構造化ログを有効にするには、ログを格納するために、まず Azure サブスクリプションで Log Analytics ワークスペースを構成する必要があります。

(参考)
Azure 構造化ファイアウォール ログ | Microsoft Learn

 

シングルクリックでのアップグレード/ダウングレード

Azure Firewall の Standard/Premium を簡単な操作で切り替えることができるようになりました。
Premium へアップグレードすると、URL フィルタリング、侵入検知と防止、TLS インスペクション、より包括的な脅威インテリジェンス機能などの追加機能があります。
Announcing Azure Firewall Upgrade/Downgrade General Availability - Microsoft Community Hub

上記詳細によると、このアップグレード/ダウングレードはプロセスを簡略化する新機能で、ボタンを1回クリックするだけでサービスのダウンタイムなしで Firewall をアップグレードできます。
アップグレードプロセスでは、既存の Premium ポリシーまたは標準ポリシーを選択できます。
この機能はプロセス全体を自動化して簡素化しており、すべての Azure Firewall インスタンスが1つずつ自動的にアップグレードされます。

(参考)
Azure Firewall Premium の機能 | Microsoft Learn